魚薬軟膏

つけたらひび割れが治る薬。甘くてしょっぱい。 魚頭(うおあたま)とにとろでやってるびょーん

じぶじぶ

なんかの間違いみたいな宇宙船の中みたいな

部屋で

ろくに肉魚食えずにじっとしてるとさ

小さい通信機器の中の出来事がどんどん際立っていって

存在をぺちゃんこにされそうなんだよね

幸いに 喋らない可愛い同居人がいて

船の外にも 友達の宇宙人がいるから

まだ大丈夫だけど。

でもそういう誰かがいないと 生きていけなそうな自分は 弱い宇宙人で

いなくても大丈夫なひとが 強い宇宙人だとおもってしまうと

なんだか理不尽に妬ましくなる

私だってそんな風に生きていたかった

強い宇宙人でいたかった

てね。アホね。人のことばっかり言ってる

 

宇宙船の中はいろんなコードがむき出しで

足を引っ掛けて転ぶ。

宇宙船の中は幽霊がいっぱいいて

寝てる時に警告する。

私の鼻水は浮かんで

電気プラグに触れて 火花を出す。

叫んでも喚いても 鉄筋なので

どこにも届かない。

途中で止めた音楽プレーヤーの曲の続きが

頭の中で再生される。

悲しい人間になりたかった

体のない人間になりたかった

笑われることのない人間になりたかったし

美しい人間になりたかった

幽霊が何回も何回も私のお墓を建ててくれたし

何回も何回も君の前で死ぬ夢を見たから

死ぬことを恐がらない人間にもなりたかった

きっと諦めがついた。